2007年09月06日

●スコーンの歴史・・・について

この秋、百貨店などでは「英国展」が開催されます。ベノアのスコーンにもどこかでお会いできることでしょう・・・・。そこで今回は、ベノアの大人気の商品で、イギリスを代表する伝統的なお菓子、スコーンの歴史について少し触れてみます。

英国伝統のアフタヌーンに欠かせないお菓子、スコーンは、スコットランドのスクーン城にあった「運命の石⇒STONE OF SCONE」に由来すると言われています。この石は、スコットランドで歴代国王の戴冠式の玉座として使われ、大切に守られてきた石です。

しかし、この「運命の石」は、1296年にイングランドの支配によって奪われてしまい、ロンドンのウエストミンスター寺院の玉座に据えられることになってしまいました。以後、この石を取り戻す為の戦いや運動が長く続き、700年後の1996年に英国に返還された時には大きなニュースになったのだとか・・・。

ごくごくシンプルに、小麦粉と塩、ショートニングのみで家庭でも簡単に作れる素朴なお菓子、スコーン。しかし、この深い歴史を持つ伝統のお菓子には、神聖なものにはナイフを入れないという英国の慣習の名残があり、ナイフを入れずに、スコーンの横にある「おおかみの口」と言われる裂け目から、手で割って食べるのが正式とされています。スコーンを横半分に割り、クロテッドクリームとジャムをたっぷりとのせて紅茶と楽しむのが、正式なイギリス伝統のアフタヌーンなのです。

イギリス伝統のお菓子という事は知っていても、戦いの歴史や神聖な由来があるとはちょっとびっくりですよね・・・・。こんな物語を思い浮かべながら・・・いろいろなスコーンを楽しんでみてください。

2007年09月04日

●ミルクティーとアレンジの楽しみ方・・・について

厳しい残暑が続いておりますが、皆さん体調を崩されていませんか?

東京の都心部では気温+アスファルトの照り返し+室外機熱風+車の熱気で、天気予報の気温以上の温度を体感しています。

冷房をずっとつけていたり、更に冷たい物を食べたり飲んだり、日本列島は、体も悲鳴をあげているようですね。特に胃腸には、大きな負担が掛かっていることでしょう。少し、癒してあげないと食欲の秋には体がダウンしてしまいます。そこで今回は、胃腸を守る部分を考慮して、ホットミルクティーをご紹介してみます。

1:ホットミルクティー/約2人分

【材料】アッサム紅茶(セイロン・オレンジペコなど)、牛乳。

1.鍋に140ccの水とティースプーン2杯(6g)の茶葉を入れ中火にかけます。

2.茶葉が開き出したところで牛乳220ccを加えます。沸騰直前に火を止めます。

3.茶漉しで茶葉を濾しながらティーポットに入れます。

ティーカップに注ぎ分けます。お好みでお砂糖などを入れてください。

2:さっぱりレモンミルクティー/約2?3人分

【材料】アッサム紅茶(セイロン・オレンジペコなど)、レモンピール3枚、牛乳。

1.通常のブラックティーをポットで入れます。

(ティースプーン2杯の茶葉をポットに入れ、充分に沸騰したお湯を300cc注ぎます)

2.鍋に牛乳300ccを注ぎ、レモンピール3枚とティースプーン2杯(6g)の茶葉を入れ中火にかけます。沸騰直前に火を止めます。

3.ティーカップにブラックティー:牛乳で煮出したレモン紅茶を1:1で茶漉しで注ぎ分けます。お好みで砂糖などを入れてください。

ふわっとレモンが香り、さらっとした口当たりのミルクティーが楽しめます。

*他にアップルティー茶葉でも美味しくアレンジ出来ます。

*牛乳の代わりに豆乳などでアレンジしてもヘルシーで美味しいです!

ホットミルクが胃腸を守って、冷房で冷えた身体を癒してくれます。

2007年07月30日

●アレンジ・アイスティーの楽しみ方・・・について

前回は、基本のアイスティーの作り方をご紹介いたしました。

季節柄・・・お中元でボトルのアイスティーを頂いたり、最近では市販でも無糖の紅茶パックが売られていますので、それらを使って簡単に楽しみたいとういう方には特にお勧めです。

○ スパークリングレモンアイスティー(オレンジも可)

材料:アイスティー(無糖)、炭酸瓶、シロップシュガー、レモン、氷。

1:レモンをスライスして2等分?4等分にする。

2:グラスの底にレモンスライスを入れて、スプーンで軽くつぶしシロップを少量掛ける。

注)レモンを絞るじゃダメなの?・・・・皮付きでないと酸味だけが強くなり、香りが出ません・・・・。)

3:レモンスライスの上に氷を入れて、アイスティーを7?8分目まで注ぐ。

4:無糖の炭酸水をグラスに1割程度(20cc前後)注ぎ、マドラーで攪拌する(混ぜ

る)。

(この時にお好みでシュガーシロップを入れても可)

5:最後にレモンスライス1枚を浮かせて出来上がり。

お好みでオレンジやグレープフルーツでも応用できます。

甘さや炭酸の分量はお好みで調整してください。

紅茶の分量を減らして、リキュール、またはお手ごろなテーブルワインをプラスして、ミントなどを浮かべれば、飲みやすくて爽やかな口当たりの夏にぴったりな「私流カクテル」をお楽しみ頂けます。

次回はミルクを使った、アレンジ・ティーのご紹介をします。

●アイスティー・・・について

いよいよ夏本番ですね!連日暑い日が続いています。
近頃、冷たい喉ごしを求めるお客で、急にうどん屋さんやお蕎麦屋さんが忙しくなったそうです。
体を冷えるから・・・とは言っても、こう暑くては冷たい物を求めずにはいられないですよね。
そこで今回は、アイスティーの美味しい入れ方について少し触れてみます。
今でこそ飲食店やコンビニ、自動販売機などで年中楽しめるアイスティーですが、その歴史は意外と浅く、一説には、1904年に真夏の7月にアメリカで開かれた万国博が始まりだと言われています。
イギリス人のリチャード・ブレチンデンという茶商が、温かい紅茶を売り出しましたが見向きもされませんでした。そこで、紅茶に氷を入れて売り出したところ・・・大人気!
これが、アイスティーが世に広まるきっかけになったとか・・・。

ヨーロッパでは基本的に、コーヒーもそうですが、紅茶は、氷を入れたグラスに、直接ポットから注ぎ入れる「オンザロックの方法」が主流です。
でも・・・・これでは、おしゃべりしている間にグラスの底が濁って来てしまいます。
これは「クリームダウン」といって、紅茶に含まれるタンニン成分が、低温になることによって、カフェインと結合して白く濁るという化学変化によるものです。
身体に害がある訳ではありませんが、渋みを感じるようになり、フレッシュ感が損なわれるので、何となく美味しくなさそうですよね。

フレッシュ感が損なわれないアイスティーを入れるには、底に沈む細かな茶葉を残さないのが決め手です。その方法をお教えします。
1:茶葉3g×7で1リットルの紅茶を抽出します。この割合で量は応用してください。
2:ティーポットに熱湯を注ぎ、蓋をしてから15分程度蒸らします。
3:ピッチャー(A)を用意して、細かな茶葉が入らないよう茶こしを使って静かに注ぎます。
4:氷を8分目まで入れたピッチャー(B)をもう一つ用意して、先程の(A)の紅茶を注ぎ、急激に冷まします。
5:ピッチャー(A)を良く洗って、(B)で冷ました紅茶を、再度こしながら注ぎます。
後は冷蔵庫に入れて保存。出来上がりは、氷が解けた分量が増えますので、1,3リットル位になります。

基本の美味しいアイスティーが出来たら、これを応用して、様々なアレンジ・ティーを楽しんでみてください。

次回はアレンジ・ティーをご紹介します!

2007年07月19日

●水と料理について・・・・

郷土料理は地元で食べると、ことさら美味しく感じるものです。その土地の水で育った食材を、その土地の水で調理するからです。郷土料理は、世界の各々の土地に根付いた文化の証です。

軟水の国の日本とイギリスは茶の文化で、イギリス人は緑茶も結構飲むそうです。硬水の国のフランスやオーストリアはコーヒーの文化というのもうなずけます。

水に含まれるカルシウムとマグネシウムのバランスが食に大きくかかわりますが、カルシウムは肉のたんぱく質と結合して肉汁を閉じ込める作用があります。グネシウムは抗酸化作用や保水効果がある為、菌の発生を抑制し黄ばみを防ぎ水分保持します。炊飯ににがりを入れると良いとういう話はここから来ます。

また、ヨーロッパに多い硬水はマグネシウムやカルシウムが多いと触れましたが、肉料理が多いのもこの環境があるからです。水と環境、生き物、食文化は密接な関係がある事がよくわかります。

老化=乾燥もあるようです。体内水分も老人になると60%から50%から以下に減少するそうです。すると体内のナトリウム数値が上がり、細胞内を刺激して神経痛などを起こしたり、料理でも塩気を強く感じるようです。年配になると薄味や塩分控えめの食事を求めるのは、体の要求なのかもしれません。

水はそのものが含有するミネラル成分の他、体内のミネラルバランスにも大きく影響しますし、味についても水によって様々です。また素材の味を引いたり足したり変化させる要素もあります。そう考えると最も基本的な「調味料」の1つと考えられますよね。

2007年07月17日

●水と飲み物について・・・・

前回、「水について‥‥」の中で「人間の体の60%は水」と触れましたが、これは成人平均の数値です。年齢によって変動があり、平均で新生児で80%、老人で50%位です。成人平均で1日に1.5リットル、又は2リットルの水を摂った方が良いと言われますが、総量ですので、水・コーヒー・紅茶などの飲料品はもちろん、野菜・果物・料理などの食事の水分も含まれます。ジュースなどは糖分を摂りすぎてしまうのであまりお勧め出来ませんが・・。

おいしい紅茶の入れ方情報では「新鮮で沸かしたてのお湯を使う」とよく言われていますが、「新鮮」は空気をより多く含むという理由で、「沸かしたて」は沸騰するとカルキや塩素のような不純物が蒸発する為です。空気の力で茶葉にストレスをかけずに成分を出し、カルキや塩素が除かれることで余計な雑味の無い味と香りが楽しめます。これは紅茶に限らず茶葉・コーヒーは同じですが、出来れば浄水がお勧めです。

水本来の成分によっていろいろな変化を試してみるのも面白いですよね。コーヒーはマグネシウムの多い水で飲むとまろやかになるそうです。軟水の日本ではほんの数滴「にがり」や天然の塩を数粒入れると硬度が得られるのでコーヒーの味に変化が出るそうです。1度試してみてはいかがですか?入れすぎるとしょっぱいコーヒーになるのでご注意を!!

また、水にはカリウム成分があり、水分が減るとカリウムが減り、老化がより進むそうです。カリウムを含んだ水を飲んでいる人は年齢より老化が遅いそうです。浄水、ミネラルウォーターなどの軟水・硬水を上手に使い分けると老化防止や健康維持、料理の調味料にもなります。次回は水も調味料に?ということで郷土料理と水の関係についてちょっと触れてみたいと思います。

2007年06月29日

●水について・・・・・・


今年の梅雨は空梅雨傾向で、長期予報では梅雨明けが遅れる気配、その上真夏の水不足が懸念されています。梅雨はうっとうしい感じであまり歓迎されませんが、大切な水資源のもとでこの時期があるからこそ日本各地に名水があるのです。今回は梅雨も大事ということで、水について触れてみたいと思います。

人間の体の60%は水、人間や生物にとってとても大事なものです。雨や雪が岩石や地下の岩盤などに含まれるミネラル層のフィルターを浸透していく間に、地層の鉱物を溶かし込みミネラル水になります。中でもカルシウムやマグネシウムの含有量が少ないのが軟水、多いのが硬水とに分けられます。

日本は地層の関係で比較的短い時間で湧き水になる為、ミネラルの影響が少なく軟水が多いと言われています。ヨーロッパは地層に石灰岩が多いことや滞留時間が長いので、ミネラルが多く溶け込み、硬水と言われています。

硬水は飲み水や料理にはあまり向かないと言われていて、ヨーロッパでは生水を飲まないのは下痢を起こしやすいからとか・・・・。ワインはブドウの糖分と水分だけで作られ、料理にもワインや牛乳が使われているのはそういった文化があるようです。ヨーロッパの中でも日本と同じ島国であるイギリスは軟水なのでウイスキー作りが盛んになったようです。発酵させない緑茶は軟水でまろやかに、硬水では渋みが出ます。発酵茶である紅茶は軟水では香りが薄く、硬水では香りが強く出るようです。

次回はお水と飲みものについてもう少し触れてみます・・・。